劣後債とはどのような債券か?

高利回りが魅力な劣後債ですが・・・

 店頭の証券会社に口座持ってると、三菱UFJとかメガバンクが劣後債を発行するということで営業の電話掛かってくることがよくあります。

 この劣後債ですが、利回りが普通の債券と比べて高めに設定されています。いつまで経っても低金利の中劣後債の利回りは魅力的に映ってしまうのですが、劣後債とはどのようなものなのか 利回りだけでなくデメリットも知っておかないと、後でこんなはずじゃなかった ということになりかねませんよ。

劣後債とはどのような債券なのか?

 劣後債の「劣後」って何が劣っているのでしょうか?金利は高いのですから、その点では劣後というのはふさわしくないように思います。

 この劣後というのは利回りを指しているわけではなく、お金を返してもらえる順位を指しています。

 会社が倒産したりすると、会社に対してお金を支払ってもらえる権利を持っている人の間で会社の資産を分けることになるのですが、劣後債というのは資産を分けてもらう順位が劣っているのです。

 資産を分け合う順位ですが、まず税金だとか従業員の給料などに回され、次に商売の支払だとか一般社債の順番が来ます。そしてそれらへの配分が終わった後やっと劣後債の順番がやってきます(ちなみに株式は劣後債よりもさらに順位が低くなります)。

 倒産するような企業には、お金を支払ってもらえる権利をもっている人全員に支払えるような資産なんてまずないでしょうから、会社が潰れるような事態になると劣後債が全額返ってくるというようなことはまず期待できなくなります。

 このようにいざというときは損をする確率が通常の社債より高いわけですが、こんな債券を普通の債券を同じ金利で売り出していたら当然売れません。同じ金利ならより安全な方を皆欲しがるに決まっているからです。そんな不利な債券を買ってもらうために劣後債の金利は高めに設定されているというわけです。

劣後債で注意すべき点は他にもある

 劣後債で注意しなければいけない点は他にもあって、売りたいときに簡単に売れないリスクがあることです。

 会社が倒産したらやばい劣後債ですから、もし、雲行きが怪しくなったら売って逃げたいと思ったときでも簡単に売れないか 売れたとしても不利な条件で売らざるを得ない可能性が高いです。

 倒産したとき劣後債はきついことになるので、劣後債の発行体がやばそうだから逃げたいなんて思ったときはまともな価格で欲しがる人なんているはずがないのです。

 発行体が潰れなければ、高金利の恩恵を受けられますが、その金利の影にはいざとなったときはとてもやばい そんな危険が隠れているのです。

 一般社債と比べて、償還まで倒産しないとより強く結論づけられないのであれば、到底買えるものではないと思います。

 まぁ、倒産すれば一般社債だって無事ではないので、どうせなら金利が高い劣後債で勝負じゃあ と考えるのも有りと言えば有りかもしれませんけどね。